2008-09-14(Sun) 11:22:47

謝霆鋒、房祖名、余文樂主演『インビジブル・ターゲット』

【あらすじ】
半年前の強盗事件で恋人を亡くしたチャン刑事(ニコラス・ツェー)と、奇しくも同じ強盗団によって部下が重傷を負わされ、自らも名誉を傷つけられたフォン警部補。彼らは新人警官ワイ巡査(ジェイシー・チャン)の兄に犯罪団の一員であるという容疑がかけられていることを掴む。同じく警官ではあるものの、全く異なる個性を持った3人が、巡り合う。恋人をなくした痛手から立ち直れず、自暴自棄なチャン刑事、プライドが高いエリートであるフォン警部補、初々しい正義感に燃えるワイ巡査という具合に、3人の性格は全くかみ合わない。だが、とりあえず入った喫茶店の乱闘事件を取り押さえたところから、3人の間に友情が芽生え始める。強盗団について調べを進めていくうちに、3人は警察をも巻き込む巨大な陰謀と直面することになる……

☆ネタバレ感想は続きをどうぞ☆
とにかくアクションシーンが満載で、その合間合間に笑えるシーンが入っていて、最初から最後まで息つく暇もなく楽しむことができました。

◆やっぱり食べてる!!
フォン警部補の辣腕ぶりを示す冒頭の登場シーン。彼が逮捕しにいくのがラム・シューおじさん演じる悪徳富豪。のっけからワインをぐびぐび〜〜っと飲んでます。証拠がないから捕まらないぞ、と余裕かましてるオジサン。どうやら妻殺しの容疑がかけられているようです。ところが、マカオで摩ってすっからかんになったギャンブラーに殺害を依頼したところから足がつき、フォン警部補の知るところとなってしまったのでした。マカオって……「放.逐」!?(←関係ないから。) 証拠は揃ったとばかりに、いたいけなラム・シューおじさんに襲い掛かるフォン警部補。いきなり大暴れ。さすがは黒川さんに空手を習っただけのことはある!!←それも映画違うから。

◆犯人グループ区別付きません
犯人たちの言い分を総合すると、元々は7人兄弟(血の繋がった兄弟ではなく、同じ施設で育った兄弟同然の仲)だったらしいんですが、警察に殺されて今ではたったの4人に……そのうち、リーダー格がヨンサン(ウー・ジン)で、右腕がヨンイー(アンディ・オン)だそうな。アンディ・オンだけは『ラヴァーズ&ドラゴン』のティンヨン殿下のはずなので、顔が分かるつもりだったんですが、現代人の服装していたらさっぱり分からないことに気づきましたよ!!(←よく考えたら『ラヴァーズ&ドラゴン』では広東語吹替えだったから、アンディ・オンの声も知らないのでした、ワタクシ) みんな黒い服着てサングラスとかかけてるから、誰が誰やら。中盤以降、綺麗にRを巻いた普通話を喋るのがヨンサン(ウー・ジンさんは北京出身の満州旗人☆)で、捲舌なんてクソ食らえだぜな台湾国語を話すのがヨンイー(アンディ・オンくんは台湾にルーツがあるアメリカ人)だって気づきましたけど。にしても、この二人が兄弟同然に育ったといわれましても……訛りが違いすぎるんですが(笑)

◆また赤目ですか?
ヨンサンにボコられて入院するハメになったフォン警部補。ついでに犯人の銃に入っていた銃弾まで無理やり飲まされてしまいます。貴重な証拠品なので、出てきたものを鑑識に回さなければなりません。そんなわけでトイレのシーン(笑) 演技なのか、何なのか、余文樂くんの目が充血気味なのです。一瞬、『軍鶏-Shamo-』の赤目再びかと思いましたが、さすがにフォン警部補の目は切れたりしませんでした。

◆お兄様は爽やかに濃く……
純粋無垢な正義感、ワイ巡査。両親を交通事故で亡くし、3つ年上で同じく警官の兄と祖母と3人暮らしらしいのですが、兄はここんとこしばらく失踪中。どうせ話題にしか出てこない兄さんだから、写真が映るだけよね、って思ったらアーロン・クォック先生じゃございませんか!! いくら香港明星に疎いわたしでもあの爽やかに濃い顔は分かる(笑) タツ兄さんの部屋に飾ってあった「どうもスタァです☆こんにちは」な警官コスプレブロマイド(←コスプレじゃないから!!)が出てきた瞬間、会場のそこかしこで堪えきれない笑い声が起こっておりました。

◆裸のお付き合い
喫茶店の乱闘事件を丸く(?)納めたものの、自分たちも結構なダメージを負ってしまった3人組み。とりあえずワイ巡査の家に行って傷の手当をすることに。今は主が失踪中で、使うもののいないワイ巡査の兄、タツさんの部屋でなにやら効き目のありそうな塗り薬で治療するのですが…… 背中の打撲には自分で塗れないのでお互い塗りあうんですけど、「いたっ」ってビクっとなったせいで、塗ってあげてる人の傷を思いっきり触ってしまい、そのせいで「いたっ」ってなって……と3すくみ状態。上半身裸の若い男どもが怪しく絡み合っているところを、ワイ巡査のおばあちゃんに見られてしまいます。んまあ、おばあちゃまは懐の深い方なので無問題なのですが。その前にあった、ワイ巡査の「おばあちゃん、ボク、今日男にキスしちゃった……(←人工呼吸なんですけどね)」というシーンが伏線として活きていて、非常に可笑しいシーンでした。

◆相変わらずなサム・リー
冒頭の強盗事件のシーンで、現金輸送車に乗っていた警備員がサム・リーでした。まさか彼があのままご退場ってことはないよね、と思っていたらやっぱり再び登場。強盗事件の貴重な生き残りではあるものの、事件のショックですっかり精神を病み、精神病院に入院中ということなんですが……

◆気になるヨンイーとタツ兄ぃの関係
ワイ巡査は、爆弾を仕掛けた幼稚園バスの中に手錠をかけて閉じ込められるんですが、ここで犯人グループの一人、ヨンイーと語り合うことに…… ワタクシここらでようやく、ああ、本当にアンディ・オンだ、『ラヴァーズ&ドラゴン』のティンヨン殿下だ、って分かりましたよ。やっぱり童顔で可愛い顔ですねえ、アンディ・オン。ネタバレになるから詳細は省きますが、ここで失踪中の兄タツと、ヨンイーとのかかわりが明らかになるのです。しかも、カメオとはいえタツを演じていたのがアーロン・クォック。色々と気になるじゃあございやせんか。さらにその後、犯人グループが偽警官に扮して警察署に乗り込んでくるのですが、ここで再びワイ巡査と見えることになります。ここのシーンも、タツ兄ぃの話が絡んできてよい!! 思いっきりベタだけど。




てっきり、続編が作れるようなオチにするのかと思いきや、そういう欲目を出さずにきっぱりすっぱり山場を作ったので驚きました。この3人が活躍する話、もうちょっと見たかった気がするなあ。エンドロールでフォン警部補が制服警官になって駐車違反を取り締まっていましたけど、チャン刑事は相変わらず私服刑事でした。なんでフォン警部補だけ降格処分!?

相変わらず、亜細亜映画では電脳通信が一般的みたいですね。犯人グループが好きなように普通話(or台湾国語)を話し、香港のお巡りさんたちは好きなように広東語を話し、でもって皆さん何の問題もなく意思の疎通が出来ているという(笑)

恋人を殺されたチャン刑事と、犯人グループのリーダー・ヨンサン、失踪中の兄の名誉回復のため奔走するワイ巡査と、その兄と深いかかわりを持つヨンイーという具合に、3主人公のうち2人には犯人との深いつながりが描かれていました。一方、フォン警部補には情報部で働く女性警官とのロマンスが一応用意されてはいたものの、その女性警官リョンの活躍が、ド派手なアクションシーンの前に霞んでしまったせいで、人物の描きこみはやや薄かった気がします。そもそも、最愛の恋人や尊敬する兄のために犯人を追う他の二人の比べて、自らの名誉回復が動機というのは、ちょっとインパクトや切実さが薄い気がします。

でもね、もう一人目立つ悪役を増やして、その悪役とフォン警部補の切実なかかわりまで描いたら、収集付かなくなるからこれでよかったんでしょう。階級が警部補ってことからも分かるように、3人の中では恐らく一番階級が高かったと思われる彼。自らの指揮する作戦の中で、大勢の警官が負傷して、警察の威信も傷つけられて、だからこそ犯人逮捕でその敵をとろうとする中立的なスタンスがちょうどいいんでしょう。恋人を失った傷から立ち直れないチャンや、兄の名誉回復で頭が一杯のワイには、恋愛している余裕なんてありませんもの。

余文樂くんが部下のいる役を演じるところがイマイチ想像できなかったんですが、今回の彼はちゃんと「上司」していました。ニコラス・ツェーに一歩も譲らず、ワイ巡査のことを温かく先輩警察官として見守っていました。いやあ、成長しましたねえ。そうなってくると、トラン・アン・ユン監督の"I COME WITH THE RAIN"がますます楽しみになってくるわけです。かのキムタク閣下も出ていらっしゃるとのことですので、きっと日本公開してくれますよね!!

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : 香港映画 余文樂 ショーン・ユー インビジブル・ターゲット

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