2月22日に日本版DVDが発売されたばかりの『傷だらけの男たち』を見ました。ここ一週間、急に香港映画熱、中国映画熱がぶり返して急遽買ってしまったDVD。ついでに『LOVERS』も買ってしまいました。わたしの香港映画DVD購入基準は梁朝偉(トニー・レオン)または余文樂(ショーン・ユー)が出ているか、なのですがなぜか『LOVERS』まで買ってしまいましたよ、いまさら。一度レンタルで鑑賞済みなのに……
【あらすじ】
ヘイ(トニー・レオン)とポン(金城武)は、ともに警察官で上司と部下の関係。だが、恋人が自殺したことをきっかけに、ポンは警察を辞めてしまう。それから3年後、ヘイは大富豪チャウの娘、スクツァンと結婚し幸せな生活を送っていた。一方ポンは私立探偵をしながら酒びたりの毎日。そんなある日、何者かがチャウの家に押し入り、執事もろとも殺害されてしまう。また、犯人たちは盗んだ金を巡って争い、相打ちに。事件関係者は一人もいなくなってしまう。スクツァン一人が事件に疑問を持ち、ポンに捜査を依頼する。警戒心が強く、顔見知りしか家に上げなかった父が、犯人を家に挙げたとは考えられない。顔見知りの「第3の男」が真犯人に違いない、というのだ。ポンはヘイの協力も得ながら事件の捜査を進めるのだが……
公式サイト drywhisky.com/
さて、映画鑑賞メモまいります。内容に触れますので、未見の方はご注意を。
上のあらすじには書きませんでしたが、これは「誰がチャウを殺したのか?」という映画ではありません。悲劇的な過去のせいで心に思い傷を負ってしまった人間の物語。チャウ殺害のシーンでは、犯人の顔がはっきりと映しだされています。いわゆる犯人探しのサスペンスものではありません。「なぜ殺したのか?」という物語でもないような気がします。理由は復讐。真犯人はまさに王道をいく悲劇の過去を背負っており、人生をかけて復讐の機会を狙ってきたのです。
わたしはうっかり特典ディスクのメイキングから見てしまったのですが、監督が再三「トニー・レオンが初の悪役に挑戦」と言っていたのが気になりました。ヘイって悪役なのかな? 悪役の定義にもよると思いますが、わたしの個人的な定義では「善悪の観念が壊れていて、理由も無く悪事を働く人」が悪人だと思うので、なんだか違和感を感じてしまうのです。相変わらずこの映画でも、トニー・レオンは暗い、辛い過去を背負った哀しい人でした。そういう意味ではあまり新境地というかんじはしなかったなあ。
トニー・レオン、金城武のダブル主演である一方、女性陣もシュー・ジンレイ、スー・チーのダブルヒロインでした。どこか一青窈に雰囲気が似ている(と、わたしは思う)シュー・ジンレイは『最後の恋、初めての恋』で渡部篤郎の相手役を演じていた女優さん。心臓病を患う、美人薄命という言葉がぴったりのホテル従業員を演じていました。見るからに儚い容姿、儚い風情を持った女優さんですが、今回もやっぱりそうなっちゃうわけですか!!
トニーはドロッドロの過去を抱えているし、金城くんも恋人を亡くした役だし、シュー・ジンレイも夫との結婚生活に何か落ち着かないものを抱えている女性。そんな登場人物中、作品の雰囲気を明るくしてくれていたのがスー・チーでした。こういうあっけらかんとした役をやるとはまりますよね。
王道ネタではありましたが、悩むトニー・レオンはやはり美味でした。特典DVDをまたゆっくりと堪能しよう。以下、鑑賞していて気づいた広東語のメモ。
阿頭(亞頭とも) 字幕では「ボス」。リーダーの意味だそうです。ポンはヘイのことを終始こう呼んでいました。
o吾好意思 場面によって、「すまなかった」「怒るなよ」と全然違う字幕が付いていたのが面白かった。
食飯。 「食べよう」 たったこれだけで誘いかける意味になるんですね。
係(発音:ハイ) クライマックスのシーン。スクツァンがヘイにある質問をして、ヘイが答えた台詞がこれ。日本語の「はい」にそっくりなので、一瞬ヘイが日本語を喋っているのかと錯覚してしまいそうになりました。
差人 「警察官」を意味する口語。『インファナル・アフェア』で「俺は警官だ」という台詞が「我係ちゃーやん」と言っているように聞えて、「ちゃーやん」が何かずっと気になっていました。「我係差人(んごぉはいちゃーぃやん)」だったんですね。「ちゃーやん」は聞き間違いでどっちかと言うと「ちゃーぃやん」というかんじでしょうか。
リスニングの練習をするときは辞書が必須ですね。先日購入した『東方広東語辞典』が大変役に立ちました。
